大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』で
徐々にその存在感を増しているキャラクター
北尾政演(きたお・まさのぶ)。
浮世絵師にして、戯作者、デザイナー、江戸文化の伝道師…
この人物、一体何者!?
演じる古川雄大のクールな魅力と相まって
今後注目度急上昇間違いなしのこの男。
その魅力と素顔に迫ります。
浮世絵師から戯作者へ――“画筆から筆へ”転身した江戸のマルチクリエイター
北尾政演は、1761年に江戸で生まれました。
師匠は有名な浮世絵師・北尾重政。
初めは絵師として活動し、洒落た風俗画を描いて人気を博します。
しかし、彼の本領が発揮されたのは“戯作”の世。
黄表紙や洒落本といった、大衆向け読み物です。
政演は「山東京伝」と名乗り、風刺とユーモアたっぷりの筆致で
江戸の世相を切り取りました。
粋でお茶目で好奇心旺盛、“江戸男子”の理想像!
政演は、今でいうなら「サブカル系のオシャレ男子」。
吉原の遊郭文化に明るく
艶っぽい世界を知り尽くした大人の男でありながら
その一方で非常に勉強熱心で
細かい観察眼と知識欲を持ち合わせていました。
彼の筆致は、時に辛辣で風刺的。
けれどどこか憎めないユーモアがあり
当時の読者たちからも絶大な支持を集めます。
黄表紙『江戸生艶気樺焼』に見る、江戸庶民のリアル
山東京伝の代表作のひとつ
『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』は
今で言う恋愛コメディ。
江戸の恋愛模様を描きつつも
その裏には風俗や生活習慣への鋭い風刺が潜んでいます。
政演の作品には、まるで「江戸版インスタグラム」のように
庶民の日常、恋愛、ファッションが
生き生きと描かれているのです。
【スキャンダルと弾圧】「黄表紙事件」での取り調べ
風刺が効きすぎたのか
政演は1791年の「寛政の改革」による出版統制で摘発され
「黄表紙事件」の当事者となります。
彼の作品は“風紀を乱す”として咎められ
筆を折ることを命じられてしまいます。
けれど、それでも政演は創作をやめず
名前を変えて裏で作品を書き続けるという
実に“らしい”エピソードも。
蔦屋重三郎との関係は?
大河ドラマ『べらぼう』の主役・蔦屋重三郎は
実際に政演の作品を数多く出版した“理解者”であり
“プロデューサー”的存在です。
商業的視点と芸術的価値を兼ね備えたタッグだった
とも言えるでしょう。
『べらぼう』では、二人の出会いと関係性が
徐々に描かれ始めており
今後の展開に大いに期待が高まります。
まとめ
北尾政演(山東京伝)は
ただの絵師や作家ではありませんでした。
彼は江戸の「今」を切り取り
遊び心と知性を武器に時代を駆け抜けた
まさに“カルチャーキング”。
ドラマ『べらぼう』をきっかけに、彼の世界に触れることで
現代にも通じる感性やアイデアに出会えるかもしれません。
ちょっと風変わりで、どこかカッコいい。
そんな政演の人生、ぜひ一緒に覗いてみませんか?


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